最近流行の「クラウド」。
その取り組みの一環として、会社のメールサーバをGoogle Appsにしたいなーと漠然と考えてみた。
Google Appsにすれば、
- 自社でメールサーバを持たなくて済む
- 自社のドメインでメールアカウントの作成が可能
- メールソフトからWebでの送受信が可能
- Webから操作する場合は、Gmailと同じインタフェースで使いやすい
- 容量がギガ単位で増える
- 共有カレンダーが使用でき、グループウェア的な使い方も可能
などのメリットがある。
今は自社でメールサーバを運用しており、全社員が使えるグループウェアは導入していないので、これらが移行できればインフラの管理の負担が減るばかりでなく、さらに便利なサービスを社員に提供することが出来る。
早速調べてみた。
まずはGoogle Appsの企業向けページへ。
Standard EditionとPremier Editionがあり、その違いは下記の通り。
Standard Editionは無料だが、それでも7GBのメール容量がもらえる。Google カレンダーも使用可能で、中小ならこれでもいいかも。
しかし、最大の制約。それは、1ドメインで最大50ユーザまで。
自分の会社は1000以上のメールアカウントがあるので、これではStandard Editionは無理。
そこで、導入するなら最初に記載したPremier Editionとなる。こちらにすると、メールボックス容量は1人25GB。多分、定年まで1通も消さずに済む容量ではないだろうか。そのほかにも99.9 % の SLA(サービス レベル保証)があったりと、自社で運用するよりも安定する予感。
問題は費用。
1ユーザ年間6,000円とのこと。仮に1000ユーザだったとしたら、年間600万円。1ヶ月50万となる。結構な値段だ。
しかし、自社運用する費用を考えてみると、意外と高くないのかもしれない。かんたんに自社のメールサーバを運用する構成で計算してみる。
- 内向けメールサーバのハードは5年に1度買い換えるとして、5年分でアプライアンス80万円×4台=160万円(冗長×拠点別構成・保守込み)
- 外向けメールサーバのハードも5年に1度買い換えるとして、5年分で1Uサーバ30万×2台=60万(構築は自社・ハード保守込み)
- Webメールサーバのハードも5年に1度買い換えるとして、5年分で1Uサーバ30万×2台=60万(構築は自社・ハード保守込み)
- Webメールサーバのソフトウェアはとりあえず現行品を使用して保守のみ行うとして、1年で30万×2台=60万(拠点別構成)
- スパム対策サーバはとりあえず現行品を使用して保守のみ行うとして、1年でアプライアンス20万×2台=40万(拠点別構成)
- ウィルス対策サーバはとりあえず現行品を使用して保守のみ行うとして、1年でアプライアンス50万×2台=100万(拠点別構成・ハードおよびソフト保守)
これらの費用から1年分を算出してみると、「1年で256万」となった。
ただし、アプライアンスでハード保守が続けられるものは、新たなリプレースを行わない前提での試算。上記であれば「スパム対策サーバ」「ウィルス対策サーバ」は、保守打ち切りとなれば新たな機器が必要となり、ものによっては数百万円する。仮にそれぞれ300万ずつしたとして、5年計算では
- アプライアンス300万×4台/5年=240万
と、さらに「1年で240万」が加算される。そうなった場合、1年間にかかる運用コストは「1年で496万」となり、電気代や、構築時・障害発生時の人件費まで加算すれば、年間600万もそう高くない数字となってしまう。
うーん、これは悩みどころ。一気に600万の決裁は通りにくいだろうけど、こうやって個別に分解してみると、結果600万に近い金額になるってことに気づいてもらわないといけないな。
個人的には管理が楽になるのでぜひ導入したいところだが・・・とりあえず、今回書いた内容を元に提案書でも作成してみますか。