以前挑戦した、サイバーナビのHDD換装。ちなみに機種は「AVIC-VH009G」。
HDDでは動作はうまくいったものの、使用していると定期的に再起動がかかってしまうという症状に悩まされてしまい、結局諦めてしまった。
その際、原因は「発熱か消費電力」と考え、SSDだったらうまくいくのではないかという結論に達した。
ただ、当時はSSDが高かったのに加え、換装実験の最中に失敗して修理に出すハメになってしまったことで(「2009-04-03 サイバーナビHDDの修理」参照)、これ以上金が続かず、諦めていた。
最近、何気なくIDEのSSDを見ていたら、かなり値段が安くなってきたので、ここはもう一度だけ「SSDでの内蔵HDD換装」に挑戦してみることにした。
今回購入したSSDは、CFDの「CSSD-PNM64WJ2」:容量64GB である。Amazonにて11,980円。
シー・エフ・デー販売 DRAM搭載のIDE接続SSD 旧型PCのパワーアップに効果絶大 64GB CSSD-PNM64WJ2
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初のSSD購入。HDDのがっちりした鉄の作りと違い、プラスチック製の軽いブロックみたいになっていた。
ジャンパの設定。2.5インチHDDとは微妙に異なる、が、登場した頃のSSDは「ジャンパ無し→セカンダリ」と聞いていたが、最近のは「ジャンパ無し→プライマリ」に変更されていた。
早速ブレインユニットを分解し、元となるオリジナルのHDDを取り出す。
なお、ここから先の作業を行うと、万が一故障した場合の修理や、開封した事により今後のサポートを受けれなくなる可能性があります。自己責任で。
取り出し方は以前の記事を参照。必要な工具は、「T6のトルクスドライバー」「+の精密ドライバー」「ごく一般的な+ドライバ」のみ。
分解したのがこちら。
ナビのHDDを取り出す。ちなみに、ナビで使用されているHDDは東芝製の「MK4036GACE」という機種で、車載専用のHDDとして、通常のHDDより耐熱温度は高く、回転数と消費電力は低く作られている。
HDDを取り出したら、別のPCに接続し、HDAT2でATAパスワード解除。ATAパスワードは予め知っておく必要がある。(サイバーナビで使用されるATAパスワードの取得方法は、以前の記事を参照)
なお、HDAT2の起動方法は下記の通り。
- まず、こちらの方法を参考に、ブート可能なUSBメモリを作成
- HDAT2を公式サイトからダウンロード(Single Programsをダウンロード)し、USBメモリにコピー
- USBメモリでPCをブート
- 「A:>」と表示されれば「HDAT2」と入力してEnter
起動したら、HDD一覧から「TOSHIBA MK4036GACE」を選択。
「Security Menu」を選択。
「Unlock Device」を選択し、まず「I」キーでパスワード種別を「USER」から「MASTER」に。次に「P」キーを押した後、ATAパスワードを入力。
最後に「S」を押し、確認画面で「Y」を押す。ATAパスワードがあっていたら、一番下に緑色の文字が表示され、ロックが解除される。
解除されたら、「Security Menu」は項目が2つだけになる。
次に、IDEへの直接接続か、ATA→USB変換などで、HDD・SSDどちらもPCに接続。
Windowsを起動させ、ディスク管理画面から、ナビのHDDをまねてSSDにパーティションの作成と、ボリュームラベルの設定を行う。詳しくは、以前の記事を参照。
MSVのパーティション以外は、オリジナルと同じもしくは気持ち大きく、余った分の容量はMSVに全部割り当てる。
そして、オリジナルHDDの各パーティションの内容を、SSDの対となるパーティションにファイルを丸ごとコピーする。これは、エクスプローラ上でのコピー操作で問題ない。
ここで一つ注意点が。パーティションの内「NDATA0」と「MSV」は、クラスタサイズが64Kに設定されているため、SSDの方も64Kに設定し直さなければならない。「Acronis Disk Director」などのディスク管理ユーティリティで、本来その容量では設定出来ないクラスタサイズに変更することが可能。
Acronis Disk Director Suite 10.0 Vista対応版
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ここまで完了したら、ケースを元に戻してリビンクキットに挿入し、動作試験。
さて、SSDにしたことの変化は・・・
まず起動。ロゴが出るまでの時間がかなり短縮。ロゴから地図が表示されるのも短縮。
次にMSV。リンクゲートプレイで次々選曲するが、曲の切り替わりが気持ち早い。そして、同時に表示されるアルバムアートは、HDDとは比べものにならないぐらい瞬時に切り替わる。
全体的な動作速度はアップしており、使い勝手がかなり向上する。これはSSDにする価値がある。
前回悩まされた点はどうか。これも検証。
まずはドライブ中の再起動。MSVで音楽をかけながら軽くドライブしてみたが、再起動は発生しなかった。やはり発熱・消費電力の問題か。
次に、PCからのMP3転送。ナビスタジオを使用。
数曲転送するだけで、転送エラーが多発。めげずに何回もやるが、数曲進んではUSB転送エラーの繰り返し。しかし前回と違うのは、転送エラーのタイミングでリビングキットの再起動がかからない。しばらく「USB接続中」の画面のままだが、数秒したら地図画面に戻るだけで、再起動にはならない。ちなみに、正常に転送できるときは1曲当たりの転送時間が極端に短くなっていた。これはSSDの効果か。
これから推測されるのは、HDDの時は大量転送で発熱が増え再起動がかかっていた。SSDになり発熱問題はなくなったので再起動はかからないのだが、SSD特有の「プチフリ」により、制御する転送ソフト側が「ナビが応答しなくなった」と判断し、エラーを返しているのではないかと思われる。
もし転送ソフトに「タイムアウト時間」が設定出来るなら、これを延ばすことで対処できそうな気がするが、あいにくそれをやる方法がない。