すでに使用してブログの記事にもたびたび登場しているが、未だに購入記事を書いていなかったので今更だけどレビューがてら使い方入門的なものでも書いてみる。
最近は「GPSロガー」なるものがやや話題になっている。どういうものかというと、数秒おきにGPSで位置を取得して、ログを保存していく装置。これを持ち歩いて、ログをPCに取り込むことで、移動した軌跡を地図上で表示させたり、移動中の速度の変化や高度の変化を見たり、移動距離を測ったり、デジカメで撮影した写真のExifデータにGPS情報を付与したりすることができる。
よく登山家などが愛用しているらしいが、サイクリングで走ったコースを記録したり、旅行した際に移動したコースを記録したり、単純に散歩したコースを記録したり、使い道は色々ある。
自分は上記の目的はもちろんのこと、デジカメで撮った写真に位置情報を付与させたかったので、購入することにした。
今は色んなメーカーから幅広く機種が登場している。
ネットで情報検索して、その中でも安定性・正確さ・評判がそこそこよく、値段もそこそこ、利用者が多くノウハウがネット上にたくさん転がっているという視点から、HOLUXの「M-241」を選択。
ちなみに、緑色の「M-241c」という機種もあり、こちらの方が値段も安い。「M-241c」にはBluetooth機能が無いだけで、他は「M-241」と全く同じ。PCとの接続にBluetoothを利用しないのであれば、安い「M-241c」で十分。(どちらもUSBでの接続は可能)
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基本的な使い方
本体
まずはパッケージ。
中には、M-241本体とドライバ&ソフトウェアが収録されたCD-ROM、「HOLUX ezTour for Logger」のライセンスキー、ストラップ、USBケーブル、説明書が入っていた。
基本仕様
GPSロガー選択で気になる部分のみ、仕様を調べてみた。
- 動作電力:単三電池1本、約14時間作動
- 最大記録ポイント数:105,000(ファームウェア 1.13の場合)
- ポイント記録間隔:1/5/10/15/30/60/120秒で任意に設定可能
- 記録時間:仮に記録間隔を「5秒」とした場合、約30時間
ログ取得
とりあえずGPSの記録を取らないと、PCへのログ取り込みも何もないので、電源入れて近所を持ち歩いてみる。
本体の電源を入れ「▲START」と書かれている部分の上にある「ENTER」ボタンを押す。すると「▲STOP」の表示に変わるので、この状態でGPS位置連続取得状態となる。再度「ENTER」を押すと位置取得を終了する。
バックなどに入れても結構取得してくれる。ただ、バック内で不用意にボタンが押されるのを防止するためには、「MENU+ENTER」ボタンを同時押しするとキーロックされる。再度同時押しすると解除。
PCセットアップ
次にドライバとログ取り込みソフトのインストール。
インストール不要で取り込めるツールがCD-ROMに収録されているが、ここでは、出来ることの多さと設定の楽さから、付属ソフト「HOLUX ezTour for Logger」の利用を前提に説明する。
CD-ROMにある「HOLUX_ezTour_Logger_installerXXXX」(XXXXはバージョン)」フォルダ内にある「HOLUX_ezTour_DL.exe」を実行してインストールする。これを入れると、ソフトとドライバが一緒にインストールされる。
CD-ROMが手元にない、もしくは最新版を入手する場合は、公式サイトよりダウンロード可能。
- Holux ezTour Software Update
- http://market.holux.com/Software/SU/
インストールしたら、M-241をUSBで接続する。ドライバがインストールされるので、完了されるまでしばらく待つ。
ログの活用・ルート表示
ドライバのインストールが完了したら、「Holux ezTour for Logger」を起動。
左上のアイコン「ログの読み込み」をクリックする。初回起動時はプロダクトキーを聞いてくるので、パッケージ内に入っていたSoftware Product Keyの番号を入れる。
結構無くすらしいので、無くさないよう注意。無くした場合や複数台のPCに入れる場合は、ライセンスだけ購入できる。
- ジャンル: スポーツ・アウトドア > アウトドア > 精密機器類 > GPS > 地図
- ショップ: IDA ON−LINE
- 価格: 1,130円
- 楽天で詳細を見る
取り込みたいログの日時が出るので、選んで取り込む。すると、早速移動したルートがGoogle Map上に表示される。
(クリックで拡大)
ルート以外にも、「速度/高度表示」タブクリックで、速度・高度の時間による変化を見ることが出来る。
ちなみに上の速度/高度は、鹿児島県姶良郡(盆地)から宮崎県宮崎市(平野)までの下道を車で移動した記録。最初やや標高が高く、盆地の山越えをして、標高の低い平野へ移動しているのがよく分かる。また、平均速度40km/hで、信号待ちの時に時々0km/hになっていることから下道を走っているのが丸わかりである。しかも、信号待ちを抜いた純粋な移動時間が1時間40分なのも分かる。こういうデータが取れるのも面白い。
「グーグルアースで表示する」ボタンを押すと、Google Earthが起動され、ルート・軌道を衛星写真上に表示させることができる。
(クリックで拡大)
ログの活用・Google Mapsでの表示
このルートは専用ソフト、Google Earthだけでの表示にとどまらず、トラックデータをアップロードすることでGoogleマップ上でも表示させることができ、Web上で公開することが出来る。
まず、「HOLUX ezTour for Logger」の「ファイル→トラックデータの保存」を選択。複数ルートがある場合は、どのデータをエクスポートするか選択する画面が出るので、その中から選ぶ。
そして、「KML File(*.kml)」形式で保存する。
次に、Googleマップへアクセス。
Googleアカウントでログインし、画面左中央にある「マイマップ」をクリック。さらに「新しい地図を作成」をクリック。
タイトルを適当に設定し、「インポート」をクリック。ここで先ほど出力したKMLファイルを指定すると、ルートが表示される。
最後に「完了」で保存。
あとは、マイマップで作成したマップを選び、地図右上の「リンク」を使えば、ルートを人に紹介したり、ブログに埋め込んだり出来る。↓のような感じで。
より大きな地図で 吉松〜藤まつり〜京町〜吉松 を表示
ログの活用・デジカメ写真への位置情報埋め込み
GPSロガーでトラッキングしている最中にデジカメで写真を撮った場合、撮影場所をExif情報のGPS位置データとして埋め込むことが出来る(ジオタグ)。
注意点としては、撮影時間を元にGPSデータを取り込むので、事前にGPSロガーの時計とデジカメの時計を一致させておく必要がある。
手順としては、
- HOLUX ezTour for Logger でGPSログを読み込む
- 「写真・メディアの追加」で、対象のGPSログ取得時間中に撮影した写真を選ぶ
- 該当すると、ezTour 上で該当する場所に写真マークが現れる。
- メニューの「写真・メディア」→「写真へGPSデータを書き込む」を選ぶと、ジオタグが書き込まれる
といった流れ。これでデジカメ写真に位置データを埋め込むことが出来る。
旅の思い出として写真を撮ったときに「これどこらへんだったっけなー」ってことがあるので、こうすることで撮影場所をかなり正確に記録することが出来る。GPSロガーの有効な使い道の一つだ。
なお、この「写真・メディアの追加」した状態で「グーグルアースで表示する」ボタンを押すと、写真データ込みでGoogle Earthに表示される。
リアルタイム地図表示
M-241は「GPSロガー」として軌跡の記録をする機能だけではなく、「GPSセンサー」「GPSレシーバ」としてカーナビのように、リアルタイムに現在地表示をさせることも出来る。
自分が調べて分かった方法は、以下の2種類
Google Earthでリアルタイム地図表示
M-241はUSBで接続した状態にしておく。
Google Earthの「ツール」→「GPS」で設定画面を開き、「リアルタイム」タブで以下のように設定する。
- プロトコル:NMEA
- ポーリング間隔(秒):5秒以上で任意に指定
- 自動的にパスをたどる:チェックする
- その他の項目は初期値のまま
そして、「リアルタイム追跡:開始」ボタンを押すと、M-241がGPSで取得した現在地を、リアルタイムにGoogle Earth上で表示してくれる。
(クリックで拡大)
この方法は無料で出来るのがいいところ。ただし、見れるのは衛星写真のみ。正確な地図を見たい場合は、次の方法で。
スーパー・マップルでリアルタイム地図表示
スーパー・マップルという地図ソフトがM-241にも対応している。こちらは市販のソフト。
- 出版社/メーカー: 昭文社
- 発売日: 2011/07/14
- メディア: DVD-ROM
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
パッケージ版は全国の詳細地図が入っているがやや高いので、「全国津々浦々の詳細地図は要らない」「すぐ欲しい」という方にはダウンロード版がおすすめ。
- メーカー: 株式会社 昭文社
- 商品区分: ダウンロードソフト
- ショップ: ベクターPCショップ
- 通常価格: 2,100円(税込) ベクターPCショップ で詳細を見る
ダウンロード版は、上記基本システムを購入すると、全国の大まかな地図が見れるようになる。カーナビレベルの細かい地図が見たければ、地域ごとのオプション地図を購入する仕組み。
今回、基本システム+自分がよく移動する九州1と九州2をセットで購入し、4000円ぐらいだった。
スーパーマップルデジタルでM-241を使うときの設定は、まずUSBでM-241を接続した後、「GPS」タブを下記に設定する。
また、「設定」画面を開き、[地図・その他]タブの「GPS機器との通信速度」を「38400」にする。
ここまで完了すれば、GPSナビゲーションの「開始」ボタンを押す。リアルタイムにGPSデータを取得して、地図を表示してくれる。まるでナビの地図表示のような感じ。
(クリックで拡大)
拡大・縮小もでき、さらに軌跡も残せる。
実際に電車内で使った様子はこんな感じ。
終了させるときはGPSナビゲーションの「終了」ボタンを押し、その際にトラックデータを保存することも可能。
また、M-241本体で「▲START」によるトラックデータを記録させながら、GPSセンサーとしてこのソフトで地図を表示するといった、同時利用も問題なくできる。(逆に、トラックデータは保存せず、GPSセンサーとしてだけの利用も可能。要は、M-241はログ保存の有効・無効に関わらず、電源ON時は常にGPSを受信している)
その他
速度表示
M-241本体には、GPSで取得した位置情報から、単位時間当たりどれくらいの移動したかを計算して、リアルタイムの時速を表示する機能も付いている。まさしく速度計だ。
写真は特急内でのワンショット。120km/h出ていることが分かる。
もちろん、トンネルに入ったりGPS電波の入りが悪いところだと正確には出ないだろうけど、見晴らしが良ければかなり正確な速度が算出される。
普段、どれくらい速度が出ているか知ることが出来ない電車内や飛行機、船、遊園地のアトラクションなどで使うと面白そうだ。GPSロガーのそういう使い方もアリかな。
保護フィルム
保護フィルムについて。買ったときに簡易的なフィルムが貼られているが、やや大きめに作られているので剥がれやすい。
楽天で専用の保護フィルムが売られているのを見つけたので、液晶画面のキズが気になる人は張り替えることをオススメする。
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最後に
今回は「HOLUX ezTour for Logger」を使ったデータ活用を前提に説明を書いたが、「HOLUX ezTour for Logger」ほど高機能ではないがログの取り込みや各種形式の変換といった、基本的な作業についてはM-241に対応したフリーソフトがたくさんあるので、「HOLUX ezTour for Logger」のライセンスを無くしてしまったり複数PCで利用するなどでお金をかけたくない場合は、フリーソフトを活用すると良い。
各種フリーソフトの紹介や、M-241のまとめ情報などについては、下記サイトなどを参照。
- GPSまとめサイト@2chモバイル板 - M-241
- http://www33.atwiki.jp/gpsgps/pages/53.html
- 少々GPS生活: M-241(GPSロガー)生活を快適にするフリーソフトたち
- http://gps2cycling2climbing.seesaa.net/article/97122440.html
また、今回Bluetooth対応の方を購入しつつも、PCがBluetooth対応ではないため、Bluetoothに関する操作性は試せなかった。無線で使えるのは便利だろうが、USB接続でも普通に機能は果たせるし、USB接続だとバスパワーでM-241が動作してくれるので、USB接続だけで何の問題もないように感じた。
(それだったら最初からM-241cにしておけばよかったと後悔)
リンクなど
今回解説した内容の一部は、楽天のショップのサイトにも掲載されています。
インストール手順等はそちらの方が詳しいので、そちらも参考にしてみて下さい。
- M-241を始める前に
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/ida-online/GPS/m241set.htm
- Google Earthを使った軌跡表示とリアルタイムナビ
- http://www.rakuten.ne.jp/gold/ida-online/GPS/m241_ex.htm
とまあこんな感じで、帰省という長距離移動で使う場面もあったので、M-241を使ってやりたかった
- 帰省中の電車の中でリアルタイム地図を見たい
- 実家でのドライブルートを記録に残したい
- 撮った写真の撮影場所を記録したい
これらのことをするため、帰省前に色々調べたので、せっかくなのでまとめてみました。
買ったけどいまいち使いこなせていない人、これから購入する人、もしくはGPSロガーに今現在興味を持っている人の参考にでもなれば幸いです。
上で書いた「スーパー・マップルを利用してリアルタイム地図を表示」をしたいと考えている人は、最初からマップルの簡易版が付属された↓のセットを購入した方がお得。
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