masahirorの気まま記録簿

個人的な出来事や意見、生活などの記録を思うままにブログに記録

寝台特急初乗車!Part3「乗車編」

2005年2月8日 Part2「予約編」の続き。
ニュースで寝台特急さくらとあさかぜが2月いっぱいで廃止になるニュースを見たので、思い出したかのように続きを書くことに。

寝台特急「さくら」(長崎―東京)と「あさかぜ」(下関―東京)の最後の日を迎えた。28日午後4時50分、それぞれJR長崎、下関駅から、最後の雄姿を見ようと集まったたくさんのファンに見守られながら東京へ旅立った。


ちなみに、僕が乗った2005/12/20の時には、色々調べてるうちに3月で廃止になるのは知っていた。ただ、「予約編」で書いたように今回の目的地では色々不便だったので、結局富士にしてしまったのだが。

少しおさらい。去年末、転勤が決まり東京〜黒崎(福岡県北九州市)に移動しないといけないことになったが、出来るだけ快適で安く済ませたかったため寝台特急富士で移動することに決めた。
「移動手段選定」から「予約」までの過程はそれぞれ2004年12月20日 Part12005年2月8日 Part2「予約編」を参照。

乗車準備

という訳で、2005/12/20 16:56 東京発寝台特急富士下り B1ソロ無事予約。そして当日。
その日は東京で用事があったため、その用事を済ませ早速東京駅へ…と思ったが、人生初の夜行列車乗車なので写真が撮りたい!しかし、デジカメのコンパクトフラッシュは空き容量わずか。なので、まずは有楽町のビックカメラに寄り、コンパクトフラッシュを購入。ついでに、酒売り場があるので電車内で飲むビールと焼酎、つまみを大量に購入。車内でドリンク買うのも高そうなので、安い2Lお茶なども購入。
出発のおよそ30分前にはホームに到着。ホームのコンビニで晩飯と夜食、朝食の弁当やサンドイッチ、ポータブルCD用の電池を購入。「安い」を理由に寝台特急を選んだのに、これらの購入で5000円以上かかってるのだが…まあ楽しめるからいっか。

乗車

16:45頃、富士ホーム入り。緊張しながら到着を待つ。そして到着、憧れのブルートレインを間近で見て、「これに乗れるんだ・・・」と感動。
ホームは「本当に東京駅か?」って思うほど寝台特急のホームはほとんど待ち客がいなかった。まあ月曜で平日だったからかもしれない。
いざ乗ろうと思ったら、乗り方が分からない。いや、目の前でドアは開いてるのだが、なにぶん初めての乗車。そのまま勝手に入っていいのか、(一応B1ソロは個室で予約制なので)駅員さんに見せてから乗るべきなのか・・・ちょうど駅員さんが歩いてきたので、「乗っていいですか?」と聞くと「どうぞ」と、ああ普通に乗ってよかったのね。
早速B1ソロのある車両から乗車。

車両の入り口に自動ドアがあり、「SOLO」とでかでかと書いてあるので分かりやすい。自動ドアを通ると、普通の電車は真ん中が通路で両端が座席という感じだが、寝台特急では廊下が窓側の端にあり、座席つまり個室やベットがもう片方にあり広く作られている。

車内

そして個室へ。僕は8号車の7番で、1階である。部屋に入る。

おお!ベンチシートのような座席で、ベット兼用なのだ。2畳半ぐらいのスペースはあるかな?意外と広く、折りたたみ式のテーブルも用意されている(もっとも、窓側に広めの台があるのでそこに小物は置けるが)。ボストンバックのような大きい荷物を置く棚もちゃんと用意されていた。また、「ベットから落ちそう」って人は、ちゃんとガイドが収納されており、引き出せばガイドが付けれる。
ちなみに窓側からドアをみた感じはこちら。

ここにある小窓から廊下と、通路側の窓が見える。まあ夜なので通路側の窓はブラインドが閉められていたが。もちろん、その横にあるカーテンを閉めれば、小窓が隠れ通路から覗かれる心配は無い(一応マジックミラーだったが)。
個室の設備は、照明、読書用ライト、エアコンの調整など個室それぞれが設定でき、他にもトイレの使用状況が分かるランプがある。

まずメインのコントロールパネル。ここで、エアコンの調整や照明のON/OFF、ついでに目覚ましもセットできる。

読書用ライトとさっきのコントロールパネル。これで大きさが分かると思う。
ちなみにこの読書用ライト、僕が入った個室だけかもしれないが接触が悪く、ON状態なのに少し動かしたら消えたりしてた。エアコンは、付けっぱなしにしてると「ちょっと暑いかな」と思うほど強力。あと、換気扇のON/OFFスイッチもあった。喫煙可なので吸う時は換気扇付けてたが、これが音が大きい!止めると分かるが、止めた瞬間列車の「ガタンゴトン」以外まったくの無音となる。防音性もそこそこあるのかな?コンセントはないので、ドライヤーや携帯充電器は使用できない。

トイレの使用状況が分かるランプ。トイレは各車両2個ずつ設置されていて、使用されてるとランプが付く使用。ちなみにふたが付いており、開けるとこんな感じ。

使いたいが順番待ちのときはふたを開けて空くのを待ち、寝るときなど明かりが邪魔になるときはふたが閉めれる訳である。まあさすがに今回は朝方混んだりしなかったが、利用者が多い時は大変だろうな。

何となく絵が飾ってある。
その他気になったものとしては、浴衣が用意されてること。おお、これはくつろげますな。
ホテルにあるような、でかい棒付きの鍵も用意されていた。これを使えば外出も安心。

先に、僕は「1階」と書いたが、B1ソロは部屋番号の奇数が1階、偶数が2階となってる。といっても東海道線のグリーン車のように1階と2階が分離されてるわけではなく、入り口は全部1階にずらっと並んでおり、1階の部屋と2階の部屋のドアは交互に並んで、奇数部屋番号は開けるとすぐ部屋、偶数番号部屋は開けるとすぐ階段があり、登るとそれぞれが2階になってベットがある構造。

写真だと2階はこんな感じ。設備は1階と変わらないが、天井と窓が丸く作られていたり、設備の配置が異なる。天井は1階に比べると少し低め。ちなみに、どちらも立って移動が出来るぐらいはあります。

出発

そして出発。もういきなりビールをあけ飲みだす。

ここが寝台特急の醍醐味、というのは、都心の主要駅は大抵止まるわけだが、大阪ぐらいまではちょうど社会人が帰宅する時間。他のホームは帰宅ラッシュでぎゅうぎゅうに人がいるわけですよ。なのに寝台特急はそんなのお構い無しで入ってくる。しかも乗ってる人は余裕で座れている、何なら横にもなれる。個室なら、部屋には浴衣も用意されてるわけですよ。その状況で悠々とビール飲んだりタバコ吸いながら満員のホームを眺めれる。都心で電車通勤の経験があるものにとって、これほど見てて屈辱なことはないでしょう(笑)それは逆に乗ってるほうとしては、かなりの優越感に浸れるわけで。主要駅に止まった時は、ここぞとばかり見せ付けてやりましたよ。「下民共は大変だな」って普段は自分もそうなんだけど、この日だけは殿様気分で(笑)。

車内探索

走り出して数時間、電車の揺れは思ってるほど強くなく、酒も飲んで上機嫌に。もう、寝台特急ってその中自体が独特の空気がありますな。電車なのにくつろげるという、通勤電車ではありえない感覚。落ち着いてきたので車内を散策して写真を撮ることに。

まずは、B1ソロ車両内にある洗面所とお手洗い。

洗面所は3個あった。

お手洗い(トイレ)、2個あった。お手洗いは前記のようにこの車両の全部屋に使用中ランプで繋がっている。鍵をかけると光る仕組みだ。

せっかくなのでB寝台自由席にも。まず車両入り口。B1ソロとは違い手動で開くドア。

入ると通路はこんな感じ。B1ソロと同じだが、それぞれを仕切るドアは無い。ただ、ベットごとにカーテンは設置されている。

自由席はこんな感じかな。2段ベットの2段目には、窓側にあるはしごを利用して登れる。

別のB寝台自由席へも。

手書きで「6号車」と書かれてる感じがなんとも。



ベットの柄が車両によって違う!まあこの辺は車両が作られた時期とか、他の寝台特急の車両とか使ってるから違いが出るんだろうな。

ベット側から通路を見ると、窓の下に補助席が用意されており、これを倒すと席が作れる。
めぐってて、実際に乗客がいたのはベット数で10にも満たなかった。ほとんどがA寝台個室かB1ソロでした。

次にA寝台個室。車両入り口はB寝台同様手動ドア。

個室はB1ソロとほぼ同じ、もしくは少し広いくらいのスペースかな。ただ、2階式ではないので天井が高い。作りも木目調で高級感がある。

置くに台があるが、これはテーブル兼洗面台になってるみたいで、開けると蛇口が出てくる。

コントロールパネルもB1とは違い豪華。

A寝台個室は、ドアの鍵はキーではなく、暗証番号を登録してそれで開けるタイプ。

ちなみに、B1ソロも含めこれらの写真は全部ベットが「右側」だが、隣接の部屋は逆向きになっている。

せっかく富士にはロビーカーも付いてるのでロビーカーを見学。

何人かと仲間で乗車して、夜遅くはなす時にはココを使えばいいかも。今回は1人だったので、通るだけで使う機会はなかったが。1両全てをロビーカーとしてるので広々。ロビーカーには1人用、数人掛けのチェアと何故かカウンターが設置されてる程度。

僕が行った夜9時頃は3人しかいなかった。自動販売機もこの車両にある。タバコとか飲み物とか。カウンターは、昔はバーとか飲み物を提供してたのかなと推測。人が多かった頃は車掌やこういう元食堂車専用の従業員とかいたんだろうな。今は運転手と車掌の2人だけのようであったが。

あ、のどが渇いてお金が無ければ、お手洗いのところに水が飲めるところがあります。

ただ、飲む道具が紙コップではなく、折りたたみ式の紙コップのようなものだったので微妙。

就寝

そんなこんなで無事就寝。うるさい換気扇切って横になると、まあ多少の電車の揺れや「ガタンゴトン」の音も聞こえるが、それほど気にならない。むしろ、「ガタンゴトン」に関しては静かな中にその音だけ聞こえるので、すごく風流に感じた。
暑くてエアコン切って寝たが、朝方になると寒くなり目が覚めるか風邪を引きます。のどが渇き気味になってしまいますが、弱めで常につけておくのがおすすめ。

目覚め

そして起床。寒さのため早めに目覚める。まだ下関にも到着していない。
ちなみに、富士下りには車内販売がありません。上りは静岡近辺のみあるようです。
なので下りで食べ物を買う機会は、下関駅で寝台列車をひっばる電車を別の車両につなぎ変える10分程度の間に、ホームの弁当屋やキオスクで買い物が出来る時のみです。
下関には朝6時半ごろ到着。せっかくなので、記念に駅弁を買うことに。
買ったのは「ふく寿司」(ふくはふぐの事)。

開けてみる。おお、おいしそー。でも朝からはちょっと・・・。
なので、勝手は見たものの、出発前に買ったサンドイッチとか残ってたので朝はそれを食べることに。ちなみに、その弁当は黒崎に着いて、新居に到着した時の昼飯に食べました。冬だし、駅弁は日持ちがするように作られてる「はず」だし。

到着

そんなこんなで、翌21日7時36分に小倉到着。乗り換えのためここで降りる。
その後は各駅で黒崎に到着、9時前には新居に到着。

感想

あっという間の1日間。楽しかったのもあるだろうけど、旅館に泊まってる感覚でくつろげ、1泊したらいつのまにか目的地についてた感じ。フェリーも似たようなものだが、大きな違いは「フェリーは船酔いが心配」(今回の電車は酔わなかった)と、「降りるときに時間がかかる」。この点で、基本的に電車である為「目的地に着けばすぐ降りれる」(逆にすぐ降りないと次の駅に行ってしまうが)というのが便利で楽であった。

いやー、非常に有意義で楽しい旅であった。全線廃止までは行かないとは思うが、もしそうなってもまだ時間があるだろうし、今度東京方面に行くときはまた寝台特急に乗りたい!あの独特の楽しさは、一度味わわないと分からないだろうなとすごく感じた。
まあ、寝台特急は同じ電車で別の乗客と10時間以上共にするので、そういう出会いもあるらしい。ただ、今は乗客も平均30%程度らしいし、僕はB1ソロだったのでそういう出会いは無かったが。あ、でも別のB1ソロのおじさんと、通路で数回出会って「客少ないですね〜」とか色々話はした。こういうのは楽しかった。旅は道連れ、出会いを求めるのであればB寝台自由席を選ぶとよいかもね。


内部は時間もあったのでいっぱい写真を撮ってるのだが、外観の写真が一枚も無い(笑)
まあ撮るの恥ずかしかったし、外観の写真はWeb探せばいっぱいあるからよしとしよう。


これにて、僕の「寝台特急初乗車体験記」は終了。初めてづくしだったのでPart3まで分割する長編となってしまった。

Part2「予約編」
http://d.hatena.ne.jp/masahiror/20050208/
Part1「検討編」
http://d.hatena.ne.jp/masahiror/20041220/